日本は外国人から「友達が出来にくい」「冷たい」「仕事と生活のバランスが最悪」と思われているのをご存知ですか?
2017年9月に、ドイツに拠点を置く調査会社『Inter Nations』が、「外国人が住みやすい国ランキング」を発表しました。
母国を離れて暮らす男女約1万2500人を対象に調査、65の国を5項目で評価「生活の質」「定住しやすさ」「労働環境」「家族としての生活」「個人財産」したものです。
私はこの調査結果は日本人として、日本と言う国はとても安全で安心だからとても住みやすい国だし「もちろん上位だろう!」と結果を見る前から思っていました。
ですがその調査結果を見てみると・・・目を疑いたくなるような結果が・・・。
日本と言う国は外国人から、
「友達が出来にくくて」「外国人に対して冷たくて」「仕事と生活のバランスが最悪」
と思われていました。少しは納得しましたが、正直衝撃でした。
では一体どんな国が上位なのか、そして日本の順位は一体何位なのか?!
・「外国人が住みやすい国ランキング」1位から3位
1位バーレーン
2位コスタリカ
3位メキシコ
そして・・日本は・・・65カ国中40位でした!!
この調査結果は総合評価で、前述の5項目がさらに細分化されており、
また、『個人的な幸福度』『教育の質』『生活にかかるお金』といった20以上の項目でも評価・ランキング化されているものです。
・日本は『職の安定』『安全』では上位でも、『友達の出来やすさ』で下位
これらの項目別ランキングを見ていると、日本は様々な項目で上位〜中位に入っていました。
例えば
【項目別ランキング 日本の順位】
✔『個人の安全』=2位(1位:シンガポール)
✔『安全・治安の良さ』=4位(1位:スイス、2位:ノルウェー)
✔『平和な環境』=5位(1位:フィンランド、2位:ポルトガル)
✔『教育の質』=5位(1位:フィンランド、2位:シンガポール)
✔『保健福祉』=7位(1位:台湾、2位:オーストリア)
✔『交通機関』=9位(1位:シンガポール、2位:香港)
✔『政治的安定』=9位(1位:ルクセンブルク、2位:スイス)
✔『職の安定』=26位(1位:ルクセンブルク、2位:ドイツ)
などなど・・・。
この上位〜中位の結果を見ると日本はやはり安全で平和な国!という結果ですよね?!
ですが、この結果を素直には喜べません・・・なぜなら、その一方で下位となっている分野も同じように多かったからです。
下位結果は次の通り
✔『フレンドリーさ』=41位(1位:ポルトガル、2位:メキシコ)
✔『個人的な幸福度』=48位(1位:メキシコ、2位:バーレーン)
✔『仕事&キャリアでの満足度』=49位(1位:ベトナム、2位:バーレーン)
✔『外国人を温かく迎え入れる姿勢』=53位(1位:ポルトガル、2位:バーレーン)
✔『友達の出来やすさ』=55位(1位:コスタリカ、2位:メキシコ)
✔『地域の文化への溶け込みやすさ』=58位(1位:ポルトガル、2位:バーレーン)
✔『言語の簡単さ』=62位(1位:バーレーン、2位:マレーシア)
✔『恋愛関係にまつわる満足度』=63位(1位:アルゼンチン、2位:ポルトガル)
✔『仕事と生活のバランス』=65位(1位:デンマーク、2位:バーレーン)
国自体の「安全さ」「利便性」については上位〜中位なのにもかかわらず、日本は日本人としては「外国人を温かく迎え入れ、歓迎する姿勢」が、見ての通り他国に比べてとにかく乏しく、低いことが分かります。
そして日本人自体も自覚がある、働きすぎ社会としての結果「仕事と生活のバランス」については先進国なのにランキング最下位!!
日本人自身も働きすぎだと感じているのですから、外国の人からみたら「どんだけ働くのー?!」って感じですよね・・・
ではなぜ下位結果のよう思われてしまっているのか少し掘り下げてみましょう。
日本人の多くは在日外国人に対し「笑顔で受け入れながら、“ガイジン” として接する。」
この調査では、実際に日本に住む外国人から「日本での生活は、平和で安全で落ち着いている」という声が聞かれた一方で、「外国人を歓迎しながらも、“異質” として敵視もする。日本に暮らすとそんな矛盾を感じることがある」
と言う回答が挙がったそうです。
私の義理父もドイツ系アメリカ人なのですが、この意見についてはとても大きくうなずいていました。
「たしかに日本人は話をすると笑顔で受け入れてくれるが、より深く接しようとすると “ガイジン” として扱われ、結果的に友達が出来づらいところがあるね。」と言っていました。
ですが同時に、
「でも友達が出来ないのは、私自身もシャイになってしまうからかも?日本人は優しい人がとても多いから、こちら側から友達になろう!と言えば受け入れてくれる人も多い気がした。」とも話してくれました。
ちなみに、
『フレンドリーさ』『友達の出来やすさ』『外国人を温かく迎える姿勢』の調査で上位となったバーレーンやメキシコ、コスタリカなどでは、「母国から遠く離れているが、ここは第二の母国だ!」「とても友好的で人が温かく、気前の良い人々ばかりで受け入れられていると感じられる!」と言う意見が多く聞かれたそうです。
この意見を見た時、「あーなるほどな。」とスグに理解ができました。
私は今アメリカに住む日本人、つまりアメリカ人からしたら”外国人”なんです。
そして私自身も、文化の違いから未だに戸惑うことが多くシャイになってしまいがちなところがあります。これは染みついた日本人気質と言うやつでしょう。
私の住むカリフォルニア・ロサンゼルスはもともとメキシコなのでとてもメキシ人が多い街です。
そして世界有数の観光都市でもあります。
なのでこの街は、他国他者を素直に受け入れてくれる寛容な心の持ち主がとても多いと感じでいます。
日本では今、全くと言っていいほど見られなくなった、「見知らぬ人とのあいさつ」や「隣人との会話」がココにはあります。
極端かもしれませんが、例えば私がお気に入りのスカートをはいて街に出かけると、必ず見知らぬ人から「あなたのスカート可愛い!」「それ何処で買ったの?」なんて聞かれます。
日本でこんなこと言ってくる人は、多くの人はきっとただの「変な奴」と思うことでしょう。
世界からしたら、日本の「おくゆかしさ」や「自分を守る防衛」とは、ただたんに「近づきがたい」「接しにくい」と感じられているということなんでしょうね。
日本人同士でも他人とはあまり話もしないのに、免疫の少ない外国人に対してはもっと話さないのは当然のことです。
何より、日本人の多くはどんな人に対しても「間違ったら恥ずかしい」「丁寧に接してあげないと失礼になってしまう。」と思いがちなため、「とてもシャイ」になりがちですよね。
しかも、英語話せないし・・・どこの国の人かわからないからなんて伝えれば良いのか分からない・・・だから知らない、分からないふりをしよう。ってなってしまってしまうんです。
そのため、本当は誰もが知っている「ハロー!」「サンキュー!」「OK!」が恥ずかしくて言えなかったりするんですよね。 この気持ち、私もよく分かります。
でもこれって単純に、周りを気にしすぎて自己表現が恥ずかしい・・・と言うより、実はただ「自己中心的」ってことなのではないかと思います。
困っている人や、仲良くなりたい!と思ってくれている人たちは、そもそもその相手に完璧なんて求めていません。
「私は言葉が分からないから完璧に対応することができないからごめんなさい・・・」
「何をして良いのか分からないから、私にはできない・・・」
ではなくて、自国ではない日本に、日本に興味を持ったから来てくれた人々に対し、同じ人間なのだからもっとリラックスして接してみてください。
そうしたらきっと、日本の良さをもっと理解してくれ、もっともっと日本を好きになってくれるはずです。
そして、国に対しての良い評価だけではなく、日本人の人としての評価も格段にあがると思います。
また5年後、10年後の、日本は変わっているのかいないのか?!未来の結果が楽しみです。